異動後の退職に退職代行はアリ?メリットや注意点、選び方を解説
異動をきっかけに退職したいけど上司に言いづらい⋯⋯

退職代行を使いたいけど大丈夫かな?

退職希望を伝えるのはとても緊張しますよね。
特に異動後すぐのタイミングや上司との関係性がよくないなどの場合ならなおさらです。
そのようなときは退職代行を使うのも一つの手。
退職希望を言い出せないまま働き続けると、モチベーションの低下や心身の不調につながってしまいます。
自分で退職手続きをできるのがベストですが、それが難しい場合は退職代行に頼りましょう。
本記事では以下の内容を紹介しています。
- 退職代行のメリット
- 退職代行の注意点
- 退職代行を使った方がいい人
退職代行の選び方のポイントなども解説しているので、この記事を読めば退職代行に関する不安を解消できますよ。
ぜひ最後まで読んで退職代行を使うべきかどうかの参考にしてみてください。
退職代行って本当に使ってもいいのかな?

退職代行を使うのはもう普通のことになっているよ。退職代行のメリットや注意点を一緒に見ていこう。

退職代行のメリット
初めに退職代行のメリットを紹介します。
退職手続きのストレスやトラブルを減らせるのが退職代行の大きな魅力です。
会社の人に会わずに辞められる
退職代行を使えば会社の人に会わずに退職できます。
退職代行に依頼した後は退職代行事業者が会社とのやり取りを請け負ってくれるからです。
基本的にあなたが会社と直接やり取りをする必要はありません。
そのため上司からハラスメントを受けていたりなど、できるだけ会社の人との接触を避けたい場合におすすめです。
即日退職ができる
実質的な即日退職ができるのも退職代行の利点です。
正社員の場合、退職日の2週間前に退職の申し入れをすれば退職できると民法第627条で定められています。
そのため退職代行を利用すれば
- 有給が2週間以上ある場合⋯退職日まで有給を使う
- 有給が足りない場合⋯有給が足りない分は欠勤扱いとして退職日を迎える
というように会社に行かずに退職可能です。
また、やむを得ない理由がある場合は直ちに退職できることが民法第628条で定められています。
働き続けるのが困難で今すぐにでも退職したい事情があるなら、会社との交渉対応ができる労働組合や弁護士の退職代行に相談しましょう。
依頼後は有給消化できる
退職代行に依頼した後は有給消化ができます。
退職代行事業者が有給取得の意向を会社に伝えてくれるからです。
民間事業者の退職代行には会社との交渉権がないので、万が一会社が有給取得を拒否した際の対応が難しくなります。
有給がたまっていて確実に消化したい場合には、労働組合の退職代行を利用するのがおすすめです。
退職代行の注意点
便利な退職代行ですがいくつかの注意点もあります。
せっかく退職代行を使うなら、できるだけストレスを減らせるように情報を整理しておきましょう。
お金がかかる
退職代行の全体の相場は2万〜3万円ほどです。
一方、会社と交渉できる弁護士に退職代行を依頼する場合は5万円前後が相場になります。
できるだけ料金を抑えたいなら、民間事業者の中から口コミなどの評判がいいサービスを選びましょう。
しかし有給消化や未払いの給与を請求するなどの会社との交渉が発生する場合は、会社との交渉権がない民間事業者の退職代行はおすすめできません。
自分の予算や状況に合わせて最適な依頼先を選択しましょう。
会社から直接連絡が来る場合がある
退職代行を利用したとしても会社から直接連絡が来る場合があります。
その主な理由は次のようなものです。
- 退職を引き止めるため
- 退職が本人の意思か確認するため
- 退職手続きをするための連絡事項があるため
つい連絡には返答してしまいがちですが、そこで自分が対応してしまうと思わぬトラブルを招いてしまうケースがあります。
特に退職希望者に嫌がらせをしたり強く引き止めたりする会社の場合は要注意です。
会社から連絡があった際は、退職代行事業者に報告して代わりに対応してもらいましょう。
突然辞めるので会社に迷惑がかかる
退職代行を利用する場合は突然辞めることになるので、会社には迷惑がかかります。
急な引き継ぎや人員の補充などに対応する必要があるからです。
同じ部署の人からも悪い印象を持たれる可能性が高いので、退職後の人間関係の維持は難しくなってしまいます。
もし会社にお世話になった人やこれからも関係を続けていきたい人がいるなら、無闇に退職代行を使わないのがおすすめです。
しかし自分の身を守るためにもすぐに退職したいという状況なら、会社よりも自分を優先して行動しましょう。
退職代行を使ったほうがいい人
退職代行を使った方がいいのは次のような人です。
- 辞める理由を会社に言いたくない人
- 職場の人間関係にストレスを感じている人
- ブラック企業で働いている人
「退職を言い出すのがなんとなく気まずい」といった深刻ではない理由なら、今後のためにも正規の退職手続きをするのがベストです。
退職希望を出すことによって大きなストレスが予想されるなど、自分で退職手続きをするのが難しい場合に退職代行の利用を検討しましょう。
退職代行の選び方
退職代行には運営元の違いによって3種類のサービスがあります。
各サービスが対応できる内容は次のとおりです。
民間事業者 | 労働組合 | 弁護士 | |
---|---|---|---|
退職意思を 伝える | ◯ | ◯ | ◯ |
退職の事務 手続き | ◯ | ◯ | ◯ |
退職条件の交渉 | ◯ | ◯ | |
離職票など退職書類の請求 | ◯ | ||
未払い給与・退職金などの請求 | ◯ | ||
訴訟トラブル への対応 | ◯ |
対応範囲が狭い民間事業者は料金が安く、料金が高めな弁護士は退職に関する手続きに幅広く対応してくれます。
労働組合はちょうどその2つの中間のようなイメージです。
各サービスの特徴やおすすめポイントを見ていきましょう。
とにかく安くしたいなら民間事業者
とにかく安くしたいなら民間事業者の退職代行を探してみましょう。
中には正社員でも1万円台で退職代行を請け負っている事業者もあります。
民間事業者には会社との交渉権がありませんが、そもそも有給消化などの交渉する内容がない場合は問題になりません。
入社して間もないタイミングなどで退職代行を使うなら、民間事業者のサービスも選択肢に入るでしょう。
しかし民間事業者の退職代行を利用する場合には、口コミなどの評判のリサーチが必須です。
中にはスムーズに退職できなかったり追加報酬を請求してきたりする悪質な事業者もいます。
金額だけで判断せずに安心して対応を任せられる事業者を選びましょう。
未払い残業代など会社と交渉したいなら労働組合
未払い残業代の支払いなどを会社と交渉したい場合は労働組合の退職代行がおすすめです。
労働組合には会社との交渉権があるので自分の要望をもとに交渉してくれます。
料金も民間事業者と比べてもそこまで高くなく2万〜3万円程度。
どうしても料金を抑えたいという場合でなければ労働組合の退職代行を選ぶのが安心です。
会社の訴訟トラブルが心配なら弁護士
損害賠償請求をされるなど、会社からの訴訟トラブルの恐れがある場合は弁護士の退職代行を利用しましょう。
法律の専門家の視点から退職に関する手続きに幅広く対応してくれます。
訴訟への対応や法律に基づいた未払い給与の請求などを行ってくれるのが労働組合との大きな違いです。
弁護士の退職代行を利用する場合の料金は5万〜10万円前後。
3つのサービスの中では最も高額ですが、確実に円満な退職をしたい場合にはぜひ検討してみてください。
おすすめは労働組合
これから退職代行を利用する人に最もおすすめなのは労働組合の退職代行です。
民間事業者よりも信頼性が高く退職に伴う要望の交渉も可能だからです。
弁護士と違い法的な対応はできませんが、会社との深刻なトラブルを抱えているような状態でなければ問題ありません。
そのため少し料金が高くなったとしても、労働組合の退職代行を選んだ方が安心してサービスを利用できますよ。
おすすめの退職代行
ここでは労働組合・民間事業者・弁護士それぞれのおすすめ退職代行サービスを紹介します。
各退職代行の違いを比較しながら、自分にとってベストなサービスを選んでみてください。
労働組合:トリケシ
トリケシは労働組合の日本労働産業ユニオンが運営する退職代行です。
- 1.退職相談3万人の実績とレビュー平均4.8(5点満点中)の高評価
- 2.やりとりや対応がスムーズという口コミが多い
- 3.弁護士が監修
少し料金が高いという口コミもあるものの、質問への返信の速さや手続きの簡単さなどで高い評価を集めています。
24時間LINEでの無料相談を受け付けているので気軽に相談できるのも魅力です。
離職票などの退職書類の受け取りや、退職月の給料が振り込まれないときの対応などのアフターフォローも充実。
弁護士監修という安心感もあるので、ぜひおすすめしたい退職代行です。
区分 | 労働組合 |
料金 | 25,000円(税込) |
サービス | ・退職相談 ・退職意思の伝達 ・有給消化の交渉 ・退職手続きの代行 ・退職書類の手配 ・転職サポート |
返金保証 | あり |
連絡方法 | LINE |
公式サイト | https://torikeshi.jp/ |
民間事業者:モームリ
モームリは株式会社アルバトロスが運営する退職代行です。
- 1.労働組合と提携しているため会社との交渉が可能
- 2.雇用形態に合わせた2パターンの料金設定
- 3.弁護士が監修
モームリの特徴は労働組合の労働環境改善組合と提携している点。
会社との交渉時には労働組合員が対応することで、民間事業者ですが会社との交渉を可能にしています。
また、雇用形態がパート・アルバイトの場合は料金が安く設定されているのもうれしいポイント。
オプション料金がかかりますが来店やZoomによる対面での対応も希望できます。
LINEやメールのやり取りだけでは不安という人はぜひチェックしてみてください。
区分 | 民間事業者 |
料金 | 正社員・契約社員・派遣社員⋯22,000円(税込) パート・アルバイト⋯12,000円(税込) |
サービス | ・退職相談 ・会社への代行連絡 ・会社との交渉 ・退職手続きサポート ・転職サポート ・対面での相談/代行(オプション) ・裁判時の弁護士紹介 |
返金保証 | あり |
連絡方法 | LINE・メール・電話・問い合わせフォーム |
公式サイト | https://momuri.com/ |
弁護士法人みやび
弁護士法人みやびでは豊富な知識を持つ弁護士が対応する退職代行を運営しています。
- 1.事務員ではなく弁護士が直接対応
- 2.LINEやメールで無料相談が可能
- 3.各種金銭請求交渉が可能
弁護士法人みやびでは弁護士が直接会社に介入してくれるのが特徴です。
弁護士事務所にもかかわらずLINEやメールでの無料相談にも対応しています。
また残業代や退職金、ハラスメントに対する損害賠償請求などの交渉も可能。
それらの金銭請求には回収額20%のオプション費用がかかりますが、金銭や訴訟のトラブルが予想される場合には頼りになる退職代行です。
区分 | 弁護士 |
料金 | 27,500〜77,000円(税込) ※成功報酬として別途20%+税 |
サービス | ・会社への代行連絡 ・会社との交渉 ・自宅訪問交渉 ・退職関連書類の交渉 ・各種金銭請求の対応(オプション) ※料金によって対応範囲の変動あり |
返金保証 | なし |
連絡方法 | 電話・問い合わせフォーム |
公式サイト | https://www.miyabi-law.jp/retirement/ |
退職代行を使うときの流れ
退職代行を使うときの具体的な流れを解説します。
依頼をするための要点を押さえておきましょう。
相談する際は今の自分の状況や有給消化などの要望を整理しておきましょう。要望がある場合は会社との交渉が可能な労働組合や弁護士がおすすめです。
不明点がないかを確認してから契約しましょう。クレジット決済ができる退職代行を選ぶと、入金確認が早く動き出しもスムーズです。
退職日をいつにするかなどの詳細を詰めていきます。会社と連絡をする際の注意事項などがある場合は忘れずに担当者に伝えましょう。
ここまでくれば基本的に自分が会社とやり取りをする必要はありません。もし会社から直接連絡がきた場合は退職代行に相談しましょう。
退職代行から連絡があったタイミングで退職届の提出や備品の返却をしましょう。基本的に郵送で問題ありません。
無事に退職日を迎えたら離職票や源泉徴収票などを忘れずに受け取りましょう。
まとめ:異動後の退職に退職代行を使っても大丈夫!
記事では退職代行のメリットや注意点、選び方のポイントなどを解説しました。
異動をきっかけに退職する場合でも退職代行を使うことに問題はありません。
まずは本当に退職代行を使うべきか、自分の現状を整理するのが大切です。
その上で自分で退職手続きをするのが難しいと思ったなら、この記事を参考に退職代行を探してみてください。
スムーズに退職をして、心機一転の新しいキャリアを前向きに歩んでいきましょう。